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経費精算とは?業務の流れや注意点、経費の種類などを解説

更新日:2024/07/11

経費精算は、事業活動で発生した経費を正確に精算する重要な業務です。
経理部門に限らず多くの従業員が携わっており、お金にかかわる手続きであることから、ミスなく速やかに業務をこなす必要があります。
しかし、依然として社内で非効率的な経費精算のフローが採用されているケースも少なくありません。現状の経費精算業務を見直し、課題の解決へ向けて取り組みましょう。

こちらの記事では、経費精算の、業務全体の流れや注意点、経費種類別の対応方法について解説します。経理部門の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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経費精算とは?

経費精算とは、交通費や消耗品費など従業員が立て替えた費用を精算することです。経費として認められるのは、仕事上で必要に応じて支払った金銭のみです。そのため、従業員は経費を私的に利用することはできません。従業員が立て替えた実費を企業が払い戻すために、精算が行われます。

経費精算できる主な費用

企業の業務で発生する支出の中でも、どのような費用が経費の対象となるのでしょうか。ここでは、経費として認められる費用の具体例をご紹介します。

経費として認められるのは、事業を運営するために使用した費用のみです。言い換えると、企業が収益を得る目的で支払った費用が経費の対象となります。これらの経費を精算処理するためには、領収書やレシートのような経費を証明する資料が必要です。

一方、事業の運営と無関係な費用は、経費として認められません。企業が収益を得る目的とは関係なく使用した費用は、経費に該当しない点に注意しましょう。たとえば、仕事とは無関係な私物の購入費用や、法人税や事業税などは、経費の対象外です。

具体的に、どのような費用が経費として認められるのでしょうか。以下の表では、勘定科目ごとの具体例をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

【経費の具体例】

勘定科目 具体例
人件費 給与、賞与、手当など
消耗品費 文房具代、印刷用紙代、ガソリン代など
接待交際費 飲食代、中元代、歳暮代など
旅費交通費 電車代、タクシー代、宿泊費など
研究開発費 調査・実験・試作にかかった費用など
新聞図書費 新聞購読料、書籍・雑誌の購入費用など
通信費 電話代、インターネット使用料、送料など
広告宣伝費 広告料、WEBサイト運用費用、ノベルティ制作費用など
水道光熱費 電気代、ガス代、水道代、灯油代など
地代家賃 店舗家賃、倉庫家賃、敷地の土地代など
減価償却費 機械の費用、車両の費用、器具備品の費用など
車両運搬具 自動車の費用、自転車の費用、電車車両の費用など
リース料 コピー機・パソコン・自動車のリース費用など
福利厚生費 慰安旅行費、住宅手当、保養所の維持管理費用など
法定福利費 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など
諸年会費 商工会議所・法人会・中小企業協同組合の会費など
修繕費 店舗・自動車・備品・機械の修理費用など
支払手数料 振込手数料、発行手数料、仲介手数料など
租税公課 固定資産税、法人事業税、自動車税など
損害保険料 火災保険料、盗難保険料、損害賠償責任保険料など
雑費 クリーニング代、ごみ処理費用、キャンセル費用など

経費精算が会社にとって重要な理由

経費精算は、会社の経営においても重要な役割を担っています。その理由は、経費を適切に計上すると税金の負担を減らすことにつながるためです。そもそも企業が支払っている法人税は、企業の所得に対してかけられます。その際、経費を計上することで利益から経費を含む支出の分が差し引かれ、利益の金額が小さくなるのです。事業の運営に使用した費用を適切に差し引いて、税金の払いすぎを防げます。

【法人税は「利益」から「支出」を引いた「所得」にかかる】
課税所得=益金(利益)-損金(=支出)
※支出には経費も含まれ、経費は企業が支払う税金にも影響を与えている

また、経費精算を正確に行うことは、社会のルールに従って会社を経営する上でも非常に重要です。経費精算の手続きの際、経費として認められるもの/認められないものを整理し、正しく見極められなければ、脱税とみなされるおそれがあります。このように、経理部門が担っている経費精算には、会社の経営において大切な意味合いがあるのです。

多くの企業では、経費精算をスムーズに行うために、手続きの流れや精算の方法などがルール化されています。フローに従って経費精算を実施することで、無駄な経費を抑制したり、経理部門の業務負担を軽減したりできます。

関連記事:経費精算におけるルールの設定目的は?規定作成のポイントや注意点

経費精算で必要な業務と精算までの流れ

経費に該当する費用には数多くの種類がありますが、基本的に以下のステップで経費精算が行われます。ここでは、経費精算で必要な業務や精算までの流れをご紹介します。

申請業務

社員が経費の立替払いを行ったら、その利用を証明する必要書類とともに、経費精算申請書を提出する必要があります。経費精算書には、「いつ」「どこで」「何の目的で」「どのようなものに対して」経費を利用したかを記載するのが一般的です。たとえば交通費申請であれば、「乗車した日付」「乗車駅と降車駅」「金額」「訪問先の企業名」などの記入が求められるでしょう。

関連記事:経費精算でクレジットカードの明細は使えない?立替時の注意点

承認業務

申請業務で記入した経費精算申請書は、上長回覧をして上司から承認をもらうのが一般的です。承認フローでは、申請書の内容に不備がないか、立替金の金額に間違いがないか、実際にその訪問が行われたか、社内規定に照らして適切な申請であるかなどを確認する必要があります。申請承認を得た申請書は、次の手順で経理業務に回ります。

経理業務

承認業務が完了したら、いよいよ経理による承認作業と支払い作業に入ります。まず、経理担当者は提出された申請書の内容に問題がないかをよく確認する必要があります。たとえ上長承認を通っていても申請書に誤りが見つかることは少なくありません。特に多くの部下を抱える上長の場合、すべての申請書によく目を通せずに承認してしまっている可能性があります。また、管理職は経費精算を専任業務としていないことがほとんどなので、社内規定のすべてを正しく把握していないケースも存在します。こうした背景から、受領した書類は基本的に経理部門において再度確認する必要があるのです。

経理部門で経費精算申請書を確認し、問題なければ会計処理と振込作業を行います。会計処理では、申請ごとに勘定科目や税区分を確認し、会計ソフトに情報を入力するのが一般的です。これらの作業を全従業員の全申請分、もれなく行います。続いて、従業員が立て替え払いした金額を現金で手渡すか振り込みます。一人ひとり金額が異なるので、正確に払い戻しすることが重要です。

紙やExcelで経費精算をする場合の流れ

経費精算書の種類

経費精算の手続きで用いられる経費精算書には、いくつかの種類があります。経費の種類や申請内容に応じて、適切な申請書を利用しましょう。ここでは、経費精算書の種類や、手続きにおける選び方をご紹介します。

関連記事:経費精算書とは?記載項目や業務フロー確立・改善時に気をつけること

仮払経費申請書

仮払経費申請書とは、必要な費用をあらかじめ会社に申請しておき、先に払ってもらうパターンで使用する申請書です。たとえば、出張のようにまとまった金額の経費が発生する場合、従業員が立て替えを行うと一時的に大きな負担が発生してしまいます。こうしたケースでは、仮払経費申請書を利用して、事前に金銭の仮払いを企業に依頼するのです。承認されれば、企業から仮払金として経費が渡されて、従業員は事前申請の内容に従って経費を利用できるようになります。

仮払経費精算書

仮払経費精算書とは、前述の「仮払経費申請書」で会社から預かったお金を使った後、社内手続きに使用する精算書です。経費を使った従業員は、預かった経費をどのように利用したかを証明できる書類(領収証など)を添付して、仮払経費精算書を提出する必要があります。書類提出と併せて余った仮払金を企業に返却したり、経費の不足分を再度申請して精算を受けたりして、一連の経費精算が完了する仕組みです。

立替経費精算書

立替経費精算書は、従業員が経費を立て替えたときに使用する精算書です。事前に従業員が費用を支払い、後日精算を行う際の手続きに用いられます。一般的に、消耗品の買い足しや営業車の駐車料金のような、従業員への金銭的な負担が少ない少額の立て替えで使われる書類です。立替額が少ないときは、小口現金で精算されることも少なくありません。

交通費精算書

交通費精算書とは、従業員が移動に使用した経費を精算するための書類です。主に、客先訪問などで外出する営業部門で使われるケースが多いといえます。交通費の精算では、正確な金額をチェックするために、交通手段や利用区間など多くの確認事項があります。切符と定期券で運賃が異なったり、定期区間を控除したりする必要があるため、確認作業の工数が多くなる点に留意しましょう。

出張旅費精算書

出張旅費精算書は、出張関連の費用を精算するときに使用する精算書です。多くの企業では、出張の際に通常の「交通費精算書」とは別に出張旅費精算書の提出を求められます。企業によっては、事前に出張申請のような出張伺いの書類が必要な場合もあるでしょう。特に、宿泊を伴う出張や遠方への出張では、通常の交通費よりも大きな金額が発生するため、正確に手続きを行うことが大切です。

関連記事:どこまで経費?出張中に使った費用、何が経費と認められるのか

経費精算の課題

ここまで、経費の対象となる費用、経費精算のフロー、社内手続きに必要な経費精算書の種類などの基礎知識を解説しました。多くの時間と手間がかかる経費精算業務の課題について、改めて確認してみましょう。

精算書作成・申請時の課題

経費精算書の作成や申請の手続きでは、日付・金額・用途など記入する項目が多いのが課題です。特に紙の申請書の場合は、すべての項目を手作業で記入したり、担当者が押印したりと、作成に手間と時間がかかります。

関連記事:出金伝票を使って経費精算する場合、書き方のポイントはありますか?

承認時の課題

経費精算書が受理されるまでの承認業務では、承認者が多忙で不在が続く場合、業務が滞りやすくなります。また、記入ミスや証憑(しょうひょう)の添付漏れなどによる差し戻しが多く発生すると、差し戻しの際にコミュニケーションコストがかかるでしょう。数多くの社内規定に照らし合わせて承認する必要があるため、確認作業に時間がかかるのも難点です。

経理処理の課題

経理部門が行う経理処理では、仕訳の作業に多くの手間がかかります。会計システムを導入している場合は、経費精算書と同様の内容を会計システム側へ転記する作業によって、二度手間が発生していることも。また、請求書の処理件数が多いと、振込作業など支払い手続きの負担も重なります。経理処理はミスが許されないため、正確かつ効率的に進めなければなりません。

関連記事:経費処理とは?実際の処理の流れや経費として計上できる勘定科目

管理面の課題

経費精算で使用した請求書や領収書などの書類は量が非常に多いことから、ファイリング作業に多くの手間がかかります。原本の保管場所でスペースがすぐに埋まってしまうのも大きな課題です。また、過去書類を探したり、整理したりする手間がかかり、管理コストが高くなります。たとえExcelやスプレッドシートなどのツールを使って管理している場合でも、フォーマットの一元管理が難しかったり、最新のデータを判別しにくくなったりと、さまざまな課題が存在します。

経費精算の効率化の方法

経費精算業務を効率化するには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、業務効率化の実現へ向けた主な施策をご紹介します。

経費精算業務を外注化する(BPO利用)

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)で経費精算業務を外注化する方法です。アウトソーシングにより、社内で発生する業務負担を大幅に削減できるようになります。

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経費精算システムを利用する

効率的かつミスなく経費精算業務をこなすなら、経費精算システムの導入が有効です。外注化よりも費用を抑えながら、経費精算業務の効率化を図れるようになります。

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経費精算システムを利用するメリット・デメリットは?

経費精算システムとは、経費精算にかかわるすべての業務を効率化できるシステムです。具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか確認してみましょう。

経費精算システムを利用するメリット

(1)経費精算を効率化できる

申請者

経費精算システムを導入するメリットは、経費精算を効率化できる点です。たとえば、これまで手作業で行っていた交通費精算でシステムを活用すれば、交通系ICカードの取込機能により、履歴を利用できるようになります。さらに、システムとクレジットカードを連携すれば、利用明細から申請書を作成することも可能です。すべての申請がWEBで完結するので、いつでもどこでも経費精算の手続きを進められます。

承認者

経費精算システムにはオンラインでアクセスできるため、WEBからいつでもどこでも承認作業ができるようになります。承認者が外出や出張などで長期間にわたり席を外す場合でも、承認の段階で手続きが滞る心配がありません。社内の経費精算フローがスムーズになるのがメリットです。また、外出中の承認者がスキマ時間を活用して、効率的に承認作業を進めることもできます。

経理担当者

経費精算システムを利用すると、申請データを作る時点で自動仕訳が可能となったり、会計ソフト側へ経費申請のデータを取り込んだりできるため、入力の二度手間がなくなります。ミスが減ることで経理部門における確認作業や入力作業の負担が軽減されるのは、大きなメリットといえるでしょう。現状の経理業務の無駄をなくして、担当者の業務負担を抑える効果が期待できます。

関連記事:中小企業が経費精算システムを導入するメリットと選ぶポイント

関連記事:経費精算システムではどのような種類の経費を扱えますか?

(2)ミスや不正を低減できる

経費精算システムにはミスや不正を予防する機能が多く搭載されています。たとえば、乗換案内機能を利用すれば、駅名を選択するだけで交通費の自動計算が可能です。事前に定期券を登録していれば控除が自動化されるため、二重申請の心配はありません。また、システムには社内規定に反する申請にエラーを出したり、申請を差し止めたりする機能もあるので、不正の防止も期待できます。経費精算におけるミスや不正を減らせるのがメリットです。

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(3)ペーパーレス化につながる

経費精算システムは書類の電子化にも寄与します。システム上で申請から経理処理まで完結できるため、手続きでは紙の申請書が不要です。社内のペーパーレス化を推し進めるためにも役立ちます。さらに、電子帳簿保存法対応システムを導入すれば、領収書や請求書の原本を破棄しても問題ありません。これにより、ファイリング作業や保管スペースの確保などが不要となります。

関連記事:紙やExcelでの経費精算のデメリットとは?経費精算システムが楽楽解決!

関連記事:経費精算における領収書電子化の重要性|データ化の注意点とは?

経費精算システムを利用するデメリット

(1)費用がかかる

経費精算システムの導入時には、初期費用や月額費用などの金銭的なコストが発生します。ただし、クラウド型の経費精算システムを選択すれば機器の設置が不要なため初期費用を抑えやすく、プランによっては月額費用も低めに抑えられるでしょう。費用負担をできるだけ抑えたい場合は、クラウド型のシステムを導入するようおすすめします。

また、現状の経費精算業務で紙の印刷代、ミスによる重複支払い、残業による人件費などが発生している場合は、システムの導入後に改善される可能性があります。無駄な費用が削減されることも踏まえて、システムの活用を検討すると良いでしょう。

(2)システムによっては自社のオペレーションを変える必要がある

新たに経費精算システムを導入するにあたり、申請や承認のフローをシステム側に合わせるために、現状の経費精算のフローを変える必要があるかもしれません。導入直後は、新たなフローに慣れるまで担当者の負担が増加することを押さえておきましょう。

その際、カスタマイズ性の高い経費精算システムを選べば、導入時の負担を減らせるのが魅力です。

経費精算の課題はシステムで解決へ!

ここまで、経費精算の基礎知識から一般的な処理の流れ、よくある課題と解決策までご紹介しました。経費精算は法人税の計算にもかかわる業務であり、企業の経営においても非常に重要な役割を担っています。その一方で、経費精算の手続きでは多くの確認作業や書類管理の手間が発生し、担当者の業務負担が過剰となっているケースも少なくありません。そこで、経費精算の課題を解消するためにおすすめなのが、経費精算システムの「楽楽精算」です。

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おすすめの理由③ 既存の申請項目やフローに合わせて柔軟なカスタマイズが可能

さらに、「楽楽精算」は既存の申請項目や書類のレイアウト、承認フローなどを自由にカスタマイズできるため、貴社の経費精算フローへ柔軟に対応することが可能です。これまでに使い慣れたExcelや紙のフォーマットを再現できれば導入時の不安も少なくなるでしょう。

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経費精算についてのQ&A

最後に、経費精算についてのよくある疑問と、その回答をご紹介します。

Q1. 経費精算の担当者はどのような仕事をする?

経理部門の主な業務は、社員から提出された経費精算書や領収書のチェックと、社員が立て替えた経費の精算です。確認作業では、書類の記載内容に誤りがないか、社内規定に違反していないかなどを確認した上で、申請を承認します。その後、立て替えを行った社員へ、振込や小口現金の手渡しなどにより払い戻しを行います。

Q2. 実費精算とは?

「実費精算」とは、従業員が経費の立て替えを行い、後日領収書に基づいて実費分を精算する方法のことです。こうした実費精算に対して、事前に経費を概算して従業員へ仮払いを行い、後日仮払金と実費の差額を精算する方法は「仮払精算」と呼ばれます。実費精算では精算のみで手続きが完了しますが、仮払精算では仮払いと精算の手間がかかります。ただし、実費精算では立て替えを行う従業員へ一時的に金銭的な負担が生じるのが注意点です。場面に応じて精算方法を使い分けると良いでしょう。

Q3. 経費精算はいつまでに行う必要がある?

経費精算の請求期限は、多くの企業では社内ルールによって定められています。たとえば「領収書の日付から◯日以内に経費精算を申請する」と定められている場合、従業員は基本的に社内ルールの期限に従って申請をしなければなりません。万が一、社内ルールの期限を過ぎてしまった場合でも、経費が発生した事業年度内であれば、精算すること自体は可能です。ただし、社内ルールの期限を過ぎた手続きは経理部門の負担を増加させて業務に支障をきたすことから望ましくありません。社内ルールの周知と徹底を目指しましょう。

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