「楽楽精算」を導入したことでペーパーレス化へと段階的に改革した事例
約40%の効率化を実現!現金出納廃止からペーパーレス化へと段階的に改革
井村屋グループ株式会社様は1896年に創業し、ロングセラーの「あずきバー」や「肉まん」で知られる井村屋株式会社様、業務用食品等を手がける井村屋フーズ株式会社様および海外関連会社など、10事業会社で構成されています。「おいしい!の笑顔をつくる」の理念に基づき、持続的な成長を目指し新しい挑戦へとチャレンジされており、2021年にグループ初の酒事業となる『福和蔵』もスタートしました。
「楽楽精算」の検討開始は2018年で、「スマートフォンを利用した経費精算」、「テレワーク対応」の実現を目指された変革意識について、執行役員 IT戦略室長岡田様にお話を伺います。
会社名 | 井村屋グループ株式会社 |
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事業内容 | 菓子、食品、デイリーチルド、点心・デリ、冷菓、 冷凍菓子の製造・販売及びそれに付帯する事業、レストラン事業 |
従業員数 | 1,324名(2022年12月31日現在)※グループ全体 |
導入時期 | 2019年2月 |
URL | https://www.imuraya-group.com/ |
業務の生産性向上を目指す5つの実行目標
「楽楽精算」導入前の背景と導入検討のきっかけを教えてください。
2018年に社内で生産性向上プロジェクトが発足し、経費精算をもっと便利にしていきたい、という案が出ました。当時、出張申請・精算に特化していたオンプレミス型のシステムだったので、その他の経費精算は手書きの経費精算書を回して現金精算をしており、時間と手間がかかっていました。具体的な流れとしては、打ち込んだ内容を紙に印刷して、領収書を貼って、上長からハンコをもらいます。それを会計システムに伝票入力してチェックが入り、経理部門で問題がなければ現金を経理担当者が持ってきて手渡し…このプロセスを踏まないと精算ができませんでした。上長が出張で不在であれば、承認をもらえずさらに遅れていき、時間がかかっていました。口頭でも「出張申請しました。承認お願いします。」と言っていましたね。ひどい時には1か月に1回くらい、なかなか精算できない状態でした。
当時はまだペーパーレス化へのハードルが高かったので、まずは第一段階として現金出納をなくそう、と経費精算システムの検討がスタートしました。
プロジェクトでは、5つの実行目標を掲げていました。
①交通費精算・一般経費精算における、現金出納の廃止(キャッシュレス化)
②出張申請・出張精算、経費申請・経費精算のメール通知による承認作業の効率化
③すでに導入が進んでいたスマートフォンを活用し、外出先からの申請・承認で業務をスピードアップ
④BCP(事業継続計画)対策として、出張者・出張予定者の一覧表示機能による安否確認のスピードアップ
⑤クラウドサービスの採用によるサーバー維持管理費用の削減
すでにスマートフォンは全社導入していたので、上長が出張先からでも承認でき、申請者もモバイル端末から申請できる仕組みにすると、スピードアップを図れると考えました。BCP対策としては、有事が起きた時に、誰がどこに出張しているのか、出張申請でスムーズに調べることができる、と考えました。
当時、複数サービスの比較検討をしましたか?また導入の決め手となったことは?
5社以上のクラウド型経費精算システムを比較検討しました。比較する際には、運用コスト、画面の見やすさ、会計システムとの連携の容易さを重視しておりました。
当時、ラクスの販売管理システム「楽楽販売」を利用していてラクスを知っており、「楽楽精算」も検討サービスの1つでした。「楽楽精算」のTVコマーシャルが大々的に放映されており、経営トップへの説明がしやすかった点や、ラクスの営業担当者が積極的に何回も訪問してくれて親切だった点は大きなポイントだったと思います。導入にあたって親身にサポートしてもらえると思えたので、「楽楽精算」に決めました。
約40%の業務効率化!グループ全体の生産性向上
「楽楽精算」を導入した効果を教えてください。
当時掲げていた5つの実行目標を達成し、全体的な精算の処理スピードが上がりました。無駄な業務を削減しコア業務の時間を創出することで、グループ全体として生産性が向上しています。経理部門では、仮払金精算の仕組みの撤廃、仕訳連携、電子帳簿保存法によるペーパーレス化で約40%の効率化を実現しました。
支店の営業からは、紙に領収書を貼る手間がなくなったと、効率化の評判が良いです。また、店舗「福和蔵」や「ラ・メゾン・ジュヴォー」では、備品購入時の都度精算が実現できています。現在、経費精算を行う店舗の社員へ「楽楽精算」のIDを付与しており、2021年4月からはAmazonビジネス連携の仕組みを利用しています。備品購入はAmazonで統一することで、さらなるメリットが出ると考えました。導入前までは、経理部門まで都度精算に行くことができず、立替精算の額が大きなっていくことを問題視していたので、都度精算ができる状態まで進めたことは我々にとって大きな改革です。
2022年1月から電子帳簿保存法オプションを採用し、紙の領収書添付を廃止しました。精算が終われば、領収書原本を破棄できるルールにしたため、領収書の回覧がなくなるとともにペーパーレス化の実現につながっています。まだまだやりたい事はあり、次のステップとしては請求書処理の効率化です。
「楽楽精算」導入後、苦労したことはありますか?
苦労したポイントは、システムの浸透でした。これまで実施していた仮払金精算の運用を急に無くすことは難しいものでした。今までの文化を重視する声もあり、現金精算から振込への変更、給与口座振り込みへの反対など、反対意見もありました。
しかし、コロナ禍でリモートワークの重要性が高まっている事実や、社会環境が変わっている状況だからこそ労働生産性の高い組織体制をつくる必要性があると考え、説明会においても少人数での説明会を繰り返すことで、経費精算のデジタル化の理解を得ることができました。本社から部門単位で、都度改善を加えながら展開していき、大きなトラブルもなくシステム導入を行うことができました。
持続可能な「継栄」を目指すIT戦略とは
貴社のIT戦略室について教えてください。
IT戦略室は、デジタル技術の活用で、グループ企業全体のコミュニケーションの活性化と、業務の生産性向上を目指しています。1990年代、汎用機・大型コンピューターを使用していた時代に、経理部門の一機能として発足し、コンピューターを使用して決算業務を進めていました。業務変革を起こしていくために、井村屋の基幹システムの開発部署(システム部)として独立したのち、2021年度にグループ全体のIT基盤を導入管理する部門として「IT戦略室」と名称が変更されました。時代と共に、セキュリティや業務効率化・生産性向上の仕組みを作る仕事内容へとシフトしています。現在はアメリカと中国、マレーシアにも拠点があるので、国内だけでなくグローバルな視点で戦略的に計画立ててITを導入しています。
会社の方針として「不易流行」があり、受け継いでいくものは大事に残していきながらも、新しいものは積極的に取り込み変革しています。特にIT分野は進化スピードが速く、新しいことに挑戦していかないと取り残される、と経営トップがDX推進を重視しています。
あらゆる部署での業務改革を考える中、最終的にはITの力を使うことが多く、IT戦略室で解決策を考えています。そのため、幅広い知識や目線を持ちながら取り組んでいかなければなりません。もし会社で不測の事態や有事が起こった時に、事業経営が継続できるのか?その時にどうすればいいのか、という視点をもち、世の中の流れを考えながら次は何をしていこうか、働き方改革や社員が便利に業務をするにはどうしたらいいのか、と考えることが多いです。
現在、多くのツールを切り替えており、クラウドコンテンツ情報基盤の採用、WEB会議システムの導入、経費精算システム「楽楽精算」の導入などは、全社レベルでの活用につながり、生産性が向上しています。RPAの導入で、日常業務の自動化への取り組みにも挑戦しています。
井村屋グループ株式会社様では、「楽楽精算」の姉妹サービスである販売管理クラウド「楽楽販売」、そして、メールマーケティングサービス「配配メール」もご利用いただいています。
「楽楽販売」は、レストランなどの外食事業部門における本社工場への原材料の発注、及び在庫管理、クリスマスシーズンでのパイ・ケーキでの受注・発送管理などにおいてご活用いただき、
「配配メール」は、公式オンラインショップのメール配信でご活用いただいております。